【遠浅サーフ】ヘビージグヘッドワームまとめ【インプレ】

私が遠浅サーフで使用している1ozクラス以上(概ね28g以上)のジグヘッドワームを一覧にした記事です。サーフフィネスではなく、ドン!と遠投して強気のファストリトリーブでリアクションバイトを狙うときのアイテムを集めました。

テストフィールド

日本海側の新潟市サーフが私のホーム。ここは全国に先駆けて離岸堤が造成された地域です。

離岸堤の周辺は流れに変化があります。敷石からは海藻が伸び、ベイトフィッシュを容易に見つけられます。アングラーとしてはぜひ狙いたいポイントなのですが、そのためには遠投が必須です。

本記事の作成にあたり、沖合110mに離岸堤があるエリアを選びました。これは私がメタルジグを投げれば届く距離。ジグヘッドワームでもアプローチできたら最高かも…ということで頑張ってきました。

通常のサーフと異なる点として、離岸堤から陸側に砂が堆積していることが挙げられます(上図参照)。ルアーで沖側からボトムをなぞると、まずは下り坂を降りて最深部(推定2.5m程度)に到達、その後にかけ上がりを通ります。上図をイメージしながらお読みください。

評価項目の説明

各アイテムのレーダーチャートに表している評価項目は次の内容になっています。

飛距離単純に遠くまで飛ぶほど高評価。
キャストフィールやアキュラシーは評価に含めていないことに留意してください。
なお、運動エネルギーは『質量×速度の二乗』に比例して大きくなるため、基本的には重いほど飛びます。ただし、重くなると浮き上がりの評価が低値になるケースが多いです。
浮き上がりファストリトリーブ後、テンションフォールで着底するまでの時間を計測してレンジを推定。高く浮き上がるほど高評価。
ただし、揚力が大きいと力を上方へ向けてしまうため、水押しは弱くなる傾向にあります。
水押し巻き取りの抵抗が大きいほど水押しが強いと判断して高評価を与えます。
ただし、水押しが高値なほどアングラーは疲労します。加えて、ロッドパワーが弱いとティップが入ってしまうため、ロッドとの相性にも留意してください。
柔らかさソフトベイト部分を台に固定して爪先で1mmほど押し、その感触が柔らかいほど高評価。
魚類は体側管(いわゆる側線)、表在感丘、内耳といった器官で波動を感知しています。その中でもフラットフィッシュや根魚は自身が静止することで感度を高めていると考えられます。この点を考慮して素材自体の柔らかさが重要と判断しました。構造的な柔らかさは評価に含めていません。
値ごろ感価格が安いほど高評価。交換用トレーラーなどの付属品も評価に含めています。ジグヘッドとワームの単品販売があるアイテムについてはセット品の価格を参照していますが、長期的にみれば単品販売のあるアイテムのほうがコスト面で優れることに留意してください。
メンテナンス性歯の鋭い魚に噛まれるなどしてトレーラーが損傷してしまうことから、交換作業が容易なほど高評価。なお、トレーラーが硬めの素材ならば損傷しにくいとみなして加点し、交換作業に工具を要する場合や砂浜にパーツを落下させた際に発見が難しい場合は減点しています。

また、参考として以下の情報を掲載しています。

合計得点評価項目の合計得点です。高得点のアイテムはビギナーにおすすめ。一方で、低得点のアイテムは今回の評価方法では測れない性能を有しており、適切な場面で投入すれば非常に効果的です。
タイプ専用トレーラーしか装着できないものを『一体型』、一般的なソフトベイトも装着できるものを『汎用型』、いわゆるジグヘッドワームとは異なる形状のものを『その他』としています。
重量アイテムのパッケージに記載されている重量。一般的にはジグヘッド単体の重量であり、トレーラーやフック等の重量は含まれていないことが多いです。
総重量私が持っているアイテムをデジタルスケールで実測した重量です。トレーラーやフック等の重さを含みます。なお、ジグヘッドワームは重量の誤差が生じやすいですが、本記事では補正はせずに実測値のまま掲載しています。
飛距離リールの巻き取り数から推定した飛距離です。安定したキャストのみカウントし、4回の平均値を掲載しています。離岸堤までの距離が判明しているので着水点を目測して推定値とすり合わせをしています。
テスト中に風向・風速に変化があった場合は再計測を実施。風の影響を算出して係数を掛けることで公正な値となるよう努めました。
重量比率『飛距離÷総重量』で算出した値。重量が異なるアイテムを比較するために利用します。高値なほど効率良く飛んでいると言えます。
参考までに30gから40gのメタルジグは平均で2.99でした。最も飛んだジグヘッドワームであるサリューでも重量比率は2.61でしたから、飛距離への効率に関してはまだまだメタルジグに優位性があります。
サイズジグヘッドワーム全体としての長さです。計測の始点はジグヘッドの先端です。ラインアイが突出している場合はラインアイの長さを含みません。終点はトレーラーのボディの延長線上にあるテール基部(シャッドテールなら“かかと”の位置)です。値はわかりやすさを重視して5mm刻みとしました。

それでは以下に、合計得点の高いアイテムから順番に紹介します。

ロデム4(ダイワ)

合計得点22点
タイプ一体型
重量(総重量)28g(37g)
飛距離(重量比率)77m(2.08)
サイズ115mm

ダイワの鮃狂(フラットジャンキー: FJ)シリーズから4インチトレーラーを装着した「ロデム4」です。このジャンルとしては後発アイテムですが、そこはルアー設計に慣れた大手メーカー、さすがの完成度です。

唯一、惜しいのは飛距離です。比較したアイテムの中では物足りない結果となりました。したがって遠投性を高めたい場合はロデム3TGを選ぶことになると思いますが、トータルバランスではロデム4がおすすめです。

ハウル(デュオ)

合計得点21点
タイプ一体型
重量(総重量)27g(38g)
飛距離(重量比率)81m(2.13)
サイズ100mm

サーフのジグヘッドワームというジャンルを築き上げた名作ルアーです。ハウルは最初の1投から最後のフォローまでハウルシリーズで組み立てることが可能なシステムルアーです。今回は単体での評価だったため1位の座を譲る結果となりました。

唯一の欠点はトレーラーの交換が面倒なこと。ですが、システムルアーとして複数持っている状況ならば丸ごと交代できるので大した問題ではありません。かなりおすすめです。

メタルドライブ(シマノ)

合計得点21点
タイプその他(汎用型)
重量(総重量)38g(43g)
飛距離(重量比率)79m(1.83)
サイズ110mm

独創的なアイテムを展開するシマノらしい逸品。非常によく浮き上がり、フォールもスロー。使用感はジグヘッドワームではなくてシンキングペンシルです。使用当初はルックスを受け入れ難かったのですが、悔しいことに(?)よく釣れるルアーです。

公称では92mも飛ぶとのことですが、一般アングラーの筋力ではそこまで飛びません。しかし、向い風にも強く、出番の多いアイテムです。見た目で食わず嫌いしているなら是非一度試してほしいアイテムです。

浜王(メジャークラフト)

合計得点21点
タイプ一体型
重量(総重量)28g(38g)
飛距離(重量比率)87m(2.28)
サイズ95mm

メジャークラフトといえば驚きのコストパフォーマンス。浜王は飛距離と浮き上がりを両立している点が素晴らしいです。ライブベイトカラーと呼ばれるリアルペイントモデルやラトル入りジグヘッドもラインナップされており、他にない特色も備えています。

水押しは弱めで浮き上がりが良いため、連続リトリーブよりもリフト&フォールに向いた設計だと思います。その意味では近・中距離を得意とするアイテムでしょう。欠点はライン絡みが生じやすいことくらいで、全体的にはとても使いやすいアイテムです。

ワグシャッド(ジャッカル)

合計得点20点
タイプ一体型
重量(総重量)28g(35g)
飛距離(重量比率)84m(2.40)
サイズ90mm

ジャッカルのビッグバッカーからは万能スイムベイトのワグシャッドがエントリー。総重量35gは今回の括りの中では最軽量級ですが、コンパクトなシルエットも功を奏してか優秀な飛距離をマークしました。ビギナーのうちは10ft以上のロッドで40gのルアーを振り抜くのは至難ですから軽量なアイテムから試していくのは大いにアリです。

性能的にフォロー向きなので、パイロットを担えるルアーとコンビを組ませましょう。小型のルアーケースにも収納できるので常に忍ばせておくと良いと思います。

99フラッグ(バディーワークス)

合計得点19点
タイプ汎用型
重量(総重量)30g(38g)
飛距離(重量比率)83m(2.18)
サイズ90mm

サーフブランドとして人気の高いバディーワークスから、まずは99フラッグをご紹介。揚力があると説明されているものの、実際はファストリトリーブでも浮き上がることはなく、ボトムすれすれをトレースするように泳ぎます。おそらく地面効果で浮き上がっているためかと思います。

サイズは90mmと計測しましたが、テールが大きいので小型ケースには収まりません。存在感はバツグンです。リトリーブでのサーチに向いた性能です。

45フラッグ(バディーワークス)

合計得点17点
タイプ汎用型
重量(総重量)30g(37g)
飛距離(重量比率)84m(2.27)
サイズ90mm

お次もバディーワークスで、45フラッグです。同一のトレーラーでジグヘッドを複数ラインナップしているのは珍しいです。

99ヘッドよりも浮き上がりにくく、ボトムで立つのが特長。ピンポイントでシェイクしてじっくり攻めることが可能です。その性能ゆえにフォローで使いたくなりますが、地形変化を探すことにも長けているのでパイロットとして投入するのもアリです。飛距離は意外にも99ヘッドと同等で、他のアイテムと比較しても飛ぶほうなので活躍の機会は多いです。

フリフリシャッド(ハヤブサ)

合計得点17点
タイプ一体型
重量(総重量)30g(41g)
飛距離(重量比率)71m(1.73)
サイズ115mm

ハヤブサのジャックアイからフリフリシャッドです。ヘッド形状は99ヘッドに似ており、やはり地面効果でボトムをわずかに離れるタイプです。41gもあるのでファストリトリーブしなければ底を擦るのですが、本来は低速・中速向きのアイテムなので高速域では暴れます。ポジティブに捉えればチドっていると言えます。

このまま食卓に出てきそうなどっしりしたボディが魅力。それゆえか重心移動アイがあるも飛距離は出ません。小型のアイテムと交互に使うことで揺さぶりをかけるのが効果的な運用方法です。

サリュー(アダスタ)

合計得点16点
タイプ一体型
重量(総重量)30g(36g)
飛距離(重量比率)94m(2.61)
サイズ105mm

近年にサーフ向けルアーを充実させているアダスタから飛距離No.1のサリューです。向い風でも減衰が小さく、どんな天候でもぶっ飛びます。沖から魚を呼びたいときにおすすめです。

とても細長いシルエットだからかハマるタイミングは限定的な感じですが、サリューをファストリトリーブで通して刺激した後にスローなアイテムを入れると食ってきたりします。発売当初はジグヘッド単体の販売がないことがネックでしたが、入手可能になってからは予めセットを作り込んでおけるようになり、テールのギミックを活用しやすくなりました。

クイックセット(ジャクソン)

合計点数15点
タイプ汎用型
重量(総重量)28g(38g)
飛距離(重量比率)82m(2.15)
サイズ115mm

サーフゲームの雄、ジャクソンからはクイックセットです。ヘッド先端が尖っており水を割いて進むイメージ。流れの強いエリアに向いていると思います。トレーラーはハイボリュームで、これが好きな魚にはたまらないだろうなという印象です。

巻き抵抗が小さくて疲れにくい設計なので、メタルルアーのジャークに疲れたら交代で出すと良い感じ。このあたり、ジャクソンらしさを感じます。ライトショアジギングのフォローに最適です。

ジョルティ(ブルーブルー)

合計得点15点
タイプ一体型
重量(総重量)30g(41g)
飛距離(重量比率)91m(2.21)
サイズ110mm

シーバスアングラー御用達、ブルーブルーのかっ飛びジグヘッドワーム、ジョルティです。シーバスは港湾部の堤防から狙うケースが一般的なため、ジョルティはレンジキープ型の設計です。したがって、サーフではファストリトリーブでも浮き上がることはなく、かけ上がりを越えられないので砂底をゴリゴリ擦ります。

まるでピラミッドシンカーのように砂煙を巻き上げてアピールするのでボトム狙いのオプションにおすすめ。投入タイミングは早めが良いですが、根掛かりとアカエイには要注意です!

HBシャッド(ジャッカル)

合計得点12点
タイプその他(一体型)
重量(総重量)35g(37g)
飛距離(重量比率)69m(1.86)
サイズ120mm

ジャッカルのサーフブランドであるサブルからは、プラグボディにソフトテールを組み合わせたハイブリッドルアー、HBシャッドです。使用感はシンキングミノー。ノーマルリトリーブではリップのおかげでレンジキープしますが、ジャークで姿勢を崩してあげれば容易に浮き上がります。その性質から、着水後にカウントダウンして上のレンジから探るほうが得意です。

今回、ジグヘッドワームとして比較したため評価が歪んでいます。プラグとしてみれば優秀です。意外にもキャストアキュラシーが高く、狙い通りのコースを通せるアイテムです。

あとがき

本記事では、アイテムを人におすすめするときに何が大切かを考えて評価項目を決めました。そうしたらお気に入りのアイテムが意外なほど下位になってしまいショック!(笑)

個人的な好き嫌いを省いたおかげか、各アイテムの個性はよく表れてくれました。レーダーチャートが描く図形はどれも異なる形になり、それぞれに特徴があることを読み取れると思います。皆様のアイテム選びに役立てば幸いです!