ローカルネタです。新潟市中央区の人気釣りスポット、新潟西海岸突堤についてアクセス方法や釣りのコツなどを書いてみたいと思います。初めて突堤を訪れてみたい人や、突堤には通っているけどまだ釣れていないというアングラー向けの情報となります。
新潟西海岸突堤とは
新潟市中央区の日和山浜から寄居浜にかけて造成された砂防突堤で、人が立ち入りできるものを指します。2023年9月時点で、日和山浜に第1突堤から第4突堤があり、寄居浜に第5突堤があります。約2kmの区間にわたって400mごとに突堤があることになります。
各突堤は海岸から沖に向かって200m以上は突き出しているため、サーフから遠投するよりも遥かに沖合へアプローチできます。ただし、突堤先端からさらに沖合150m付近、すなわち海岸から350m付近に潜堤があるため、外洋の潮流が直接入っているわけではありません。そのため青物は小型中型までです。シーバスやクロダイなどの沿岸に居着く魚を狙う方が堅実です。
なお、潜堤も突堤も海岸侵食を防ぐことが主な目的ですから、これらが正常に機能した結果として砂の堆積が進んでおり、キャストが届く範囲の水深は深いところでも3mほどしかありません。一見すると外洋に面しているように感じるのですが、潮流的には漁港内に近いフィールドで、しかし浅いという特徴を持っています。
それから、とても重要なこととして、新潟西海岸突堤は釣り専用ではありません。観光やデート、散歩にジョギング、気分転換、写真撮影、夕日を眺めるスポットですから様々な方々が利用する場所です。ゴミは持ち帰る、エサで汚さない、魚を放置しない、周囲に気をつけてキャストする等、アングラーとしてマナーを守って利用しましょう。
各突堤の所感とアクセス方法
各突堤の所感と、最寄りの駐車場までのアクセス方法を簡単に説明します。地図はマップアプリなどで別途に見てね。
第1突堤
海岸の道路を走れば大きな駐車場が第1突堤のたもとにあるのがわかると思います。水道は駐車場内にあり、トイレは砂丘の断崖(階段)を登った上にあります。
駐車場の場所がわかりやすく、突堤までの距離も近いです。設備が整っているのでおすすめ。第2突堤へのアクセスも悪くはないです。砂の堆積が進んでいるため特に浅いですが、魚影は濃いです。最初に造られたためか通路が狭く、キャストは慣れが必要かも。
街中から来る場合は入船町のタネムラ釣具店に寄ってから海岸に向かうと都合が良いです。
第2突堤
2024年10月31日更新:第1突堤の向かいにある大型駐車場が西に拡張されたことで第2突堤へのアクセスは大幅に改善しました。海水浴の後に便利なシャワー付きの水場も整備され、ロッドの洗浄もしやすいです。
また、もしも街中からアクセスする場合は砂丘の上にある駐車場を利用できます。ただし、土地勘がないと難しめ。
- 東堀通を北へ進む
- 信号交差点「東堀通13」を右折
- 左手に「小山医院」を通り過ぎてすぐの信号交差点(無名)を左折
- 日和山小学校を通り過ぎて道なり突き当たりに駐車場あり
砂丘の上の駐車場は広いです。トイレと水道は最低限ですがあります。水道周りが狭いのでロッドは洗いにくいかな。
砂丘の上の駐車場を利用するメリットとしては、高台からスタートしますから第1突堤から第3突堤まで目視できます。混雑状況や潮を見て行き先を変えることができます。しかし、高台からはクーラーボックスの運搬は大変です。魚を持ち帰らないアングラーにとっては都合が良いものの、通路は第1突堤なみに狭めです。
なお、海岸の道路を渡るとき、押しボタン式の信号があるの点はポイント高し。東堀通13交差点を右折後にコンビニがあるのもグッドです。
第3突堤
ここも砂丘の上の高台に駐車場があります。第2突堤よりは簡単なルートです。
- 東堀通を北へ進む
- 道なり直進で左手に日和山を通り過ぎる
- 突き当たり日和山展望台が目印、右手に駐車場
東堀通を道なりに進むだけで着きます。駐車場付近に水道はありますがトイレはないです。第3突堤以降、造りが変わって通路が広くなります。キャストしやすいですね。
日和山展望台からは全ての突堤を眺めることができます。双眼鏡があれば混雑状況も釣れ具合もわかりますし、潮目や海鳥の位置も観察できます。
ちなみに日和山は北前船が発着していた頃に海況を知るために利用されていた砂丘の高台です。昔の人もここから海を眺めていたのか、なんて歴史ロマンに浸ることができる場所でもあります。
第4突堤
ここの駐車場も高台にあります。ルートの説明は難しいです。地図ではよく見えるんですけどね。
- 西堀通を北へ進む
- 信号交差点「古町通12」を左折
- 道なり直進で突き当たりに駐車場
以上のルートは対向車が来ると行き違いできないような細い区間があります。そこで他のルートとしては、
- 海岸の道路から二葉町の「新潟市芸術創造村・国際青少年センター」を目指す
- 施設裏手の住宅街側にある道を北へ進む
- 特に目印なく左折で駐車場
これこそ土地勘がないと難しいんですが道の状況はまだマシです。
駐車場付近にはトイレと水道があります。
海岸の道路を渡るときは要注意です。横断歩道はありますが信号は無し。車は下り坂でスピードが出ており、カーブで見通しが悪いです。かなり危険を感じる場所です。
突堤の通路には階段状の段差があってキャストしにくいです。エサ釣りなら座る場所になるので楽。突堤のたもとにプールのようなエリアがあり、そこに魚が溜まってることがあります。ライトゲームでお手軽に楽しめることも多いので良い場所です。でも横断を含めアクセスは難ありかな〜。
第5突堤
突堤のたもとに十数台分の駐車スペースがありますが、舗装されていません。近くに工事用のプレハブがあることから工事車両用のスペースなのかなと思います。大型車は切り返しが困難だったり、車高の低い車はバンパー擦ったりしてるのを見かけます。2023年に開放されたばかりの突堤だからなのか周辺の整備は済んでいない感じです。当然、トイレも水道もありません。
突堤の常連にとっては目新しいため賑わっていますが、他の突堤と比較して魚影が濃いとか釣果が良いといった印象はありません。単純に人が多いから、釣れている人を目撃しやすいだけかと思います。
現状では唯一、道路を横断せずに利用できる突堤です。安全面でポイント高いです。
サッと行ってちょっと釣るには良い場所ですが、総合的に評価するとそんなに良くはないかな。賑わいを感じたい人にはおすすめです。
根掛かりに注意
話変わって、新潟西海岸突堤での根掛かりについて。ちょっと特殊な根掛かりがあるので知っておくといいかも。
各突堤は敷石やブロックの上に建設されています。場所によってコンクリートだったり花崗岩だったりするみたいですが、要するに天然の岩礁は存在しません。敷石やブロックが並べられているんです。
で、注意が必要なのは突堤に近い場所での根掛かりです。敷石やブロックのスリットにルアーが落ちて挟まってしまうケースがあります。
通常の根掛かりなら違和感があったらすぐにラインテンションを弛めるのがセオリーですが、スリットに入ってしまっていた場合は逆効果となり、スリットの深くまでルアーが落ちていきリカバリーは不可能です。
ルアーやリグが丸ごとスリットに飲まれているためフック形状は関係ありません。フックを曲げて回収とか、回収器具を使ってみるとか、そういう問題ではなくなります。とにかくスリットへ落とさないことが大切です。
対策としては、
- フローティングルアーを使う
- シンキングルアーは軽いものを使う(20gくらいまで)
- ボトムを叩くときはテンションフォールさせ、着底したらすぐにリフトする
- 着底を感じない場合は水深を意識してリズミカルにリフトする
とにかくボトムに放置するのはダメです。ルアーやリグが転がってスリットに落ちるリスクが高いです。また、波はあっても潮の流れは弱いので重いウェイトは必要ありません。10gあれば着底は感じると思います。それでもテキサスリグやフリーリグを引きずるのはダメ。必ずリフト&フォールやボトムバンピングなどの縦の動きを入れてスリットを避ける確率を上げましょう。引きずったら自然とスリットへ落ちてしまいます!
問題の多いスリットですが、カサゴやムラソイが潜んでいることもあり、一年を通じて釣果の期待があるポイントでもあります。メタルジグやワームリグでボトムをコツコツ叩いてあげると、魚がいる場合はすぐに結果が出ます。
突堤から30mもキャストすると水底は砂なので根掛かりはありませんが、魚もあまりいません。やはり突堤に魚が着いているので足元を狙ったほうが良く、そのために根掛かり対策が大切になってきます。
釣果を得るコツ
新潟西海岸突堤では護岸から仕掛けを垂らせるので漁港の釣りとイメージが重なりやすいのですが、実際にはサーフにマンメイドストラクチャが絡んだフィールドなので攻略法は全く異なると考えてください。
具体的なコツをいくつかご紹介します。
ストラクチャを攻める
ライトロックフィッシュだけは敷石やブロックの小さなスリットに身を寄せることができるため、広範囲に探るべき場所というものがあります。大きな魚が身を寄せられるような場所は離岸堤などのブロック周りしかありません。そのようなブロックは、突堤のたもとや先端付近に配置されていることが多いです。根掛かりやラインブレイクの対策を整えた上で積極的に狙ってみると良いです。
みだりに遠投しない
前項の裏返しでもありますが、あまり沖ばかり攻めても仕方がないというお話です。突堤から遠投すれば、そこはサーフから100m以上の沖合を攻めているのと同じ状況になります。潜堤の内側なので目立つようなブレイクはなく、変化の乏しい砂底が広がっているフィールドと勝負することになり大変厳しいです。ベイトフィッシュは突堤付近に集まっているため、砂底にいるイメージのあるフラットフィッシュだとしても食い気のある個体は意外と近くにいます。青物のナブラが見える時だけは遠投すると良いと思います。
手早くランガンする
水深が浅いことで魚影を発見しやすいフィールドですから、もしもベイトフィッシュの姿が見えなければすぐに他の突堤へ移動しましょう。ベイトフィッシュがいる場合、突堤の両サイドを10投ずつ探ってみます。これで反応がない場合も他の突堤へ移動します。移動途中のサーフの波打ち際などもフィッシュイーターがベイトフィッシュを追い詰めるポイントなので魚の気配があれば探っておきましょう。気に入ったポイントでのんびりやるのも一興ですが、とにかく釣果最優先ならランガンをおすすめします。これが一番重要です。
釣れにくい日を避ける
新潟市付近のサーフは潮の流れが弱いため砂底にはデトリタスも多く含まれていると考えられます。波が立って砂底が撹拌されるとデトリタスが舞い上がって水が濁ります。悪臭を感じる人もいると思います。イワシが接岸している時の魚臭さや、海藻に由来する磯臭さとは異なる悪臭です。このような状況になると魚は姿を消してしまいます。一般的には少し波があったほうが釣れやすいなんて言うのですが、流れが弱くて砂泥が溜まる浅場では話が違うように思います。海が荒れた直後は空振りしやすいので2日ほど待っても損はないと思います。
おまけ
以上、全くの釣り初心者向けの内容ではなかったかもしれませんが、初めて訪れてみたいとか、最初の1匹を釣ってみたいというアングラーの助けになっていたら嬉しいです。
さて、あとがきに代えておまけということで、持ち物の話を付け加えておきます。新潟西海岸突堤には安全柵があるため、水面に手を伸ばしてランディングすることはできません。それをやろうとしたら落水すると思います。なので、抜き上げが可能なライトゲームやミドルゲームが楽です。もしもシーバスのような大きな魚を狙う場合はランディングネットが必須になります。シャフトの長さは4mあると潮位が低いときでも安心かと思います。
といったところで、今回はここまで。何かあれば更新したいと思います。