【これで私もサーフ族】サーフトライブ STHS-1082ML

新たにロッドを入手しました!ジャクソンのサーフトライブ STHS-1082MLです!2019年に登場したロッドのようですが輝きは衰えておらず、とても気分のアガるロッドです!早速に釣果にも恵まれてハッピーです!

ほどよい強さのロッドが欲しい!

私がサーフで使用してきたロッドは2本あるのですが、主に釣果をもたらしてくれたのはアブガルシアのEPFS-810MLT-TZというロッド。ロックフィッシュやチニングにマッチしたパワーフィネスロッドで、40cmの魚でもファイトが楽しめるくらいのパワーレベルです。

とても気に入っているロッドなのですが、サーフでは不都合なときもありました。

強風に対応したい

風速5m/sの横風ともなると、ルアーウェイトは30gくらいは欲しくなります。EPFS-810MLT-TZは上限が24gなので、30gのルアーを背負わせても飛距離が伸びません。また、そもそも私のウデでは適正ウェイト内でも70m飛ばすのが限界。本来の用途からすればよく飛んでますが、サーフではやや物足りないです。

大型魚に対応したい

ランカーマゴチとのファイト時にはパワー不足を痛感しました。バットまで曲がりっぱなしで魚をリフトするのは難しく、ラインとリールを含むタックル全体を信頼して引きずり寄せた感じです。キャッチできたから悪くはないものの、思った以上に重労働でした。もう少しファイトを楽しむための安心感が欲しいところです。

使用感を揃えたい

EPFS-810MLT-TZよりも強いロッドは持っていました。ただし、使用感が全く異なっていました。キャスト時の曲げ込みやすさとか、リアグリップの長さとか、使用者にしかわからない慣れやコダワリみたいなものがあって、持ち替えたときに使いにくさを感じていました。

STHS-1082MLは、以上の願望を叶えてくれるロッドでした。

決め手は「人」

STHS-1082MLの入手にあたっては、ふたりの人物の影響がありました。いずれも面識もなければSNS等でコンタクトをとったこともない方々なので紹介するのは気が引けますが、遠慮しつつ本文で触れます。

1人目は、井熊 亮さん。STHS-1082MLを監修なさったプロアングラー、つまりはロッドの生みの親です。

私がサーフフィッシングを始めたばかりの頃、キャスティングは常に悩みでした。どうしたら飛距離を伸ばせるか、毎日のように調べては練習を重ねていました。多くのプロアングラーや配信者の方々が情報発信していますが、その中でも飛距離に関しては井熊さんが目立っていました。

井熊さんご自身は細身ながらも筋肉質な体格で、やはり飛ばすには筋力も必要と感じさせる方なのですが、若者や女性を含むグループでの映像が多数あるため、カラダができていない人の声もたくさん聞いているんじゃないかと想像しました。

もしも、井熊さんがソロ釣行で大物をゲットするような豪放さを押し出した映像ばかりの方だったなら、私とは関係のない人、と思ってSTHS-1082MLは選ばなかったでしょう。グループフィッシングでの他者への声かけや態度といったところから好感を持ったことで、STHS-1082MLも気持ちよく使えるなと思いました。

さて、もうおひとかたは新潟のロコアングラーで、ブログ「釣りあび!」の運営者でもある、「ペンギン」さんです。

ペンギンさんは、新潟のサーフフラットフィッシュシーンにおいて、いち早く情報発信を始め、今もなおブログ運営を続けていらっしゃいます。私にとって新潟のサーフフィッシングのお手本です。そのペンギンさんが使用しているロッドの中にSTHS-1082MLがあることは気になっていました。

数あるサーフロッドの中から、ペンギンさんがSTHS-1082MLを選んだという事実は、その他の方々からの情報よりも重みがあります。新潟サーフにはSTHS-1082ML。つまり、そういう解釈をしています。おかげさまでこのロッドを手にすることができてワクワクしています!

インプレ

ここまで読んでいただいて今さらですけれど、スペックと実際のフィーリングについて差異があったかどうか、記しておきます。

スペック

ブランドジャクソン
製品名サーフトライブ STHS-1082ML
長さ10フィート8インチ
自重185g
ルアーウェイト7g〜40g
PE0.8号〜2号
アクションファストテーパー
価格¥35,200

2023年7月現在、登場時よりも価格が上昇しています。

高感度ではある、が…

STHS-1082MLはサーフロッドとしてはフィネスな設計となっており、軽量なソフトベイトなども使いやすい高感度なロッドという評判です。

これはその通りなのですが、EPFS-810MLT-TZと比べてしまうとダルいです。そりゃー、STHS-1082MLのほうが2フィート近くも長いですし、自重も6割増ですから仕方ないです。カテゴリの異なるロッドなので比べるほうがおかしいのです。

とはいえ、やはりシンキングペンシルの操作感(フィードバック)は短くて軽いロッドのほうがわかりやすいです。サーフフィネスのバランス取りはこういうところが難しいんだなと思いました。

念のために書き添えると、私のお気に入りシンペンであるアダスタのシーシェイカー90は泳ぎを感じやすいほうなので、STHS-1082MLでも安心して使うことができました。

投げ心地は最高!

私がSTHS-1082MLに期待するのはロングキャストです。20gから40gまで5g刻みでルアーを変更しながら投げてみたのですが、キャストフィールの差が小さいおかげでウェイト変更を意識することなくキャストできました。比較して、高感度なEPFS-810MLT-TZはわずかなウェイト変更でもフィールが変わってしまうので気難しさがありました。このあたりは設計思想の違いが出ているのかなと思います。

STHS-1082MLは、使用者の多くが指摘するとおり、軽い力でロッドが曲がってルアーを弾き飛ばしてくれます。本当にこう表現するほかないです。とりあえず様子見でリラックスして投げたのに70mくらい飛んで驚きました。練習すれば安定して100m飛ばせるようになるんじゃないかと期待しています。

ファーストフィッシュ!

井熊さんをリスペクトして、STHS-1082MLで最初に使うルアーはジャクソンから選びました。ギャロップアシストロングキャスト… は売り切れていたので、飛びすぎダニエルを入手!

4個目です。実は飛びすぎダニエルは以前から持っていました。そして釣れない。飛びすぎダニエルはオートマチックなルアーである反面、操作を入力する余地があまり残っていないんです。私はペンシルのほうが得意かなぁ。

で、仕事帰りに1時間だけサーフに立ち寄りました。梅雨入りしてから横風がキツいため、ペンシルは使いにくいコンディション。こういうときは飛びすぎダニエルのバタバタとしたフィードバックに助けられますね。ただ、やっぱり自由度は少ないので、信じて巻くしかありません。

日本海ですから太陽は海へ沈みます。飛距離を活かして沖の離岸堤の陰を探っていると…

マゴチキャッチプリプリ〜★(酔ってません)

頭が悪くなるほど嬉しかったです。飛びすぎダニエル、今まで釣れないルアーだと思っててすみませんでした!

これで気を良くしまして、ギャロップアシストロングキャストも探してきて入手しました。でも天気予報はずっと雷雨。キャスティングは梅雨明けまでお預けとなりました。

STHS-1082MLを入手したことで、キャストできるルアーの幅が広がりました。そうです、もっとルアーが欲しい。あぁー、物欲が止まらない。

長期使用レビュー(2023.10.20)

入手から4ヶ月余りが経ちました!

使っているうちに「なるほど、よく考えられているな」と気づく点があったので紹介します。

ダブルナットシステム

リールシートにロックナットが追加されたダブルナットシステムが採用されています。これにより振動でナットが緩むことがなくなるため、気付かぬ間にリールが脱落といった事故を防げます。

もしもコンクリートにリールが落ちると壊れますし、サーフであっても砂を噛んでしまうので釣りは続行不能になります。初心者のうちは軽視しがちかもしれませんが、一度でもやらかせばコトの重大さを痛感するタイプのミスです。

一般的には小まめなチェックが大切という話なのですが、いやいや、製品デザインで解決しようよ!という素晴らしいモノづくり精神を感じました。ロックナットがあれば、車や船の振動を気にする必要はありません。ドーン!とキャストして、シャクってシャクってシャクり倒しても大丈夫。釣りに集中できますね。

ちなみに、いろいろレビューを拝見してますと、このロックナットが小さすぎて締めにくいという声も多いみたいです。それたぶん、締め方を間違えてます。ロックナットをきつく締める必要はありません。手順を添えておきます。

  1. メインナットをきつく締める
  2. ロックナットを締める
  3. メインナットを緩めてロックナットに強く接触させる

ロックナットを締めにくいという方は手順3をやらずに、手順2で締め込もうとしてるんだと思います。一度お試しあれ。

テーパード・フロントグリップ

キャストしてルアーを回収するだけなら使うことのないフロントグリップ。省略して軽量化を図ることも多いパーツですが、むしろこだわりを感じさせるデザインになってます。

リールシートに近い部分はグリップの中で最も太くなっており、不意の大物に対してはガッチリ握ってポンピングできるようになっています。それでいて先端側にかけてはテーパー構造で細くなっています。つまり、手の小さい方、女性などは、先端側が握りやすくなり、必然的にテコの原理で大きな力を出せるわけです。賢い!

ダブルフットガイド

バットガイドのみダブルフット仕様になっており、大物にも耐えられるようになっています。

これだけなら比較的よく見かける工夫なのですが、前述の2つの工夫との一貫性があることにより設計者の姿が浮かんでくるようです。惚れ惚れします。

おわりに

長期使用レビューで触れた3つの工夫はロッドを使い込んでもらって初めて有り難みを理解してもらえるタイプの工夫です。中級者・上級者へアピールするポイントと言えます。その一方で、40tカーボン、SiC、鮮やかなブルーの意匠など、初心者・初級者にも伝わりやすい魅力も兼ね備えています。死角がないと言いますか、すごく真面目で親切なモノづくりです。人気の理由がよくわかりました。

ロッドは相棒、長く付き合いたい、という方に特におすすめです!