2023初釣果は佐渡で!【佐渡釣行紀】

日本海の沖に浮かぶ一際大きな島、佐渡島。釣り人にとってのパラダイスと呼ばれるこの島へ2泊3日で訪れました。いやー、やっぱり佐渡はすごかった。

DAY1-2:釣竿出せずモヤモヤ

今回の佐渡は、用事のための滞在でした。とはいえ事前に「佐渡に行くのなら釣りをしたいよな〜」と期待を膨らませていただけに、実際に佐渡へ上陸してからは竿を出す機会がなくてイライラ&モヤモヤする状態。2日目の夜、「このまま帰ったら2度と佐渡へ来たくなくなる!」と思い、3日目の早朝は海へ行くと決心しました。

釣りのお誘いに感謝

1日目、地元の方に釣りのスポットを尋ねた際、それならもっと詳しい人がいる、とのこと。そうしたら2日目にその詳しい方から釣りのお誘いがあった!これはとても嬉しかったし、大変有り難かった。残念ながら時間帯の調整がつかず、せっかくのお誘いに応えることができませんでしたが、また佐渡を訪れた際は是非にということで、先々に楽しみをとっておくことになりました。

急いでスポット探し

今回は佐渡市役所に程近いホテルに滞在。佐渡のほぼ中央に位置しており、用事を済ますには最高でした。反面、佐渡の中では海が遠いため海況を掴めません。結局、2日間のうちに海の様子を見れたのは1度だけ。どこへ行ったらいいかわかりません。

3日目も時間がないので、とにかく最も近い海へ行こうと思い、佐渡の西側にある真野湾に絞り込みました。真野湾には地元の方から聞いていたスポットの1つがあったので、試しに経路を検索してみると車で片道20分ほどかかる。往復して、準備&後片付けの時間も含めると1時間。遠い。4時に起きて7時に戻ってくるとして、自由時間は3時間。そのうち1時間を移動等に消費してしまうのはもったいない。

より近い場所を探してみるけれど、マップだけでは限界がある。地元の方のガイドなしでは車をどこに停めたら良いのかわからない。3日目も用事があるわけで、余計なトラブルで心を乱されたくない。近くて、魚がいて、平穏な場所。どこにあるんですかー?

佐渡フィッシングガイドに救われる

基本に立ち返って頼りにしたのが、新潟県佐渡地域振興局が発行している「佐渡フィッシングガイド」。行政が発行しているものだから安心感は大きい。トラブルは避けやすいはず。

真野湾に位置するスポットは2ヶ所のみ掲載されています。窪田海岸と国府川河口です。少ない。それもそのはず、普通は佐渡といえば地磯での釣りに魅力を感じるもの。また、事前に聞いていた話では、真野湾は浅すぎて釣りに向いていないとのこと。外洋に面した地磯がたくさんあって大物狙いができる、というのが佐渡の釣りらしい。

さて、国府川河口はマップ上に駐車場を見つけられなかったので、消去法で窪田海岸に決定。ガイドの文章には「投げ釣り」「ルアー釣り」「シロギス」「河口部や波打ち際ではハゼ、ヒラメ、マゴチ」という文字が並ぶ。シロギスやハゼがベイトになっているという想定でヒラメ狙いのルアー釣りを展開することに。正直、期待はできません。なぜなら直近の釣果情報において、ヒラメは外洋に面した地磯で上がっていたから。でも、これでやるしかない。

DAY3, AM4:30

予定通り4時に起床。やることを済ませてホテルを出た。市役所付近から窪田海岸へは車で12分ほど。4:30に海へエントリーできた。

後で気づいたけれど、ランドマークを見つけられず500mほど東側の佐和田海岸にエントリーしていました。佐渡フィッシングガイドにはランドマークとして「ホテル浦島」とあるのですが、検索してもヒットしなかったので廃業しているものと勘違いしました。マップによると「Ryokan浦島」という名称らしい。

土地勘がないので自分は窪田海岸にいると思い込んだまま、「河口部」というヒントをもとにマップで流れ込みを探して西へ移動する。途中、波の変化、渚の変化も捉えてルアーを投げていこう。波の立ち方からして、かなり浅い。ウェーダーを持ってきていないのが悔やまれる。

シロギスやハゼがベイトである想定でDUOのビーチウォーカー ジャンゴ 14gを投げる。浅い。素早くツーピッチ巻き取るとジャンゴが水面を割ることもある。水底は砂利の混ざる砂浜。根が点在していて、海藻も多い。高確率で根掛かりするので、ワンキャストごとに2分くらい時間を取られる。ここで泳いだらケガをすると思うけど、地元の人たちはどうしているのだろう?

佐和田海岸から西側に3つ目の流れ込みまで歩いた。距離にして500m。知らぬ間に窪田海岸に辿り着いていました。

道を戻り、東へ

窪田海岸や佐和田海岸での釣果を調べてみても、投げ釣りによるシロギスの話題が少し見つかるだけ。そもそも釣りの情報があまりないエリア。だから自分の感覚で確かめるしかなかったのだけど、流れ込みをチェックした結果、見切りをつけて大きく移動することを決断。おそらく「河口部」というのは、もっと大きな川の流れ込みのことだろうと思った。今度は東に2km戻るかたちで、石田川の河口を目指すことにした。いっそのこと国府川まで行きたかったけど、時間が足りない。

AM5:50 ポイント到着

信濃川や阿賀野川を見慣れている身からすると、石田川はあまりに小さかった。新潟市内の用水路よりも水量は少ない。それでも石田川が注ぎ込む先には潮目が形成され、1羽のカイツブリが浮かんでいた。海中に小魚がいるように思えた。

キャストして驚いた。水深は浅く、ウィードジャングル。ジャンゴは根掛かりしにくいのだけど、それは岩などのハードな根の場合の話。ここはルアーチェンジ。オフセットフックにバークレイのパワーベイト マックスセント フラットノーズミノーをセット。リグはリーダーレスダウンショット。

毎投ごとに何度もウィードに引っかかる。フックポイントを隠しておかないと何もさせてもらえない。とはいえ、フィールドに対応するのは楽しい。釣りの引き出しが多くなるようにタックルを持ってきてはいたけど、それを可能にしているのはバーサタイルなロッドとリール、そしてライン。タックルへの満足度が高まる。

しかし、釣果ないまま、そろそろ道を引き返すべき時刻に。

AM6:15 待望のヒット!

ブルンと手応えがあったような気がした。ロッドを立ててみてもウィードのような重さ。また、ブルン。やっぱり魚はついているようだ。引きは強くないけど、水の抵抗は大きい。テンションを保ったまま寄せてくる。魚?ウィード?なんだこれは?

これ、オコゼだ!あまりにも見事な擬態に騙された。魚体に砂やウィードが付着していると思って海水で洗ってしまったのは笑い話。どうやらオニオコゼで間違いなさそう。25cmほどある。なかなか良いサイズらしい。毒針があるのでライトゲーム用のフィッシュグリップで扱うのは怖かった。大変に美味な高級魚らしいけど、この日はどうにもできないのでリリース。

初場所の、しかも実績の乏しいサーフでも魚が釣れてしまう。これが佐渡か。来てよかった。2023年の初釣果は佐渡のオニオコゼ。記念としては十分でした。安堵と満足に包まれて駐車場へ向かいます。

AM6:40 さらに予想外のヒット!

道を戻りながらもキャスティングはやめられない。トローリングしながら歩く。往路でフグを見かけていたので、これを釣ってやろうと企む。バークレイのふらゆらジグヘッド 2gにチェンジしてガルプ! サンドサーディンをセット。

水質はクリアウォーターで魚影はよく見える。10cmほどのフグがサンドサーディンを咥えるたびにフッキングを試みるけど、掛けるのは難しい。フグはお土産にならないけど、狙って釣ろうとするとゲーム性があって楽しい

そんなことをしていたら沖側から灰色の魚影が近づいてきた。大きい。40cmくらいある。反射的にキャストしてみたけど、驚かせてしまったらしく逃げていった。いや、他にもいる。連なって泳いでいる。スズキ?ボラ?とにかくキャスト。表層を泳ぐサンドサーディンの後ろを灰色の魚が追いかけてくる。一瞬ストップをかけて追い付かせるとパクリと食ってきた!

ドン!と合わせて、ロッドを立て続ける。なかなかの引きがあり、ドラグが心地よく鳴る。魚体が水面を割った時、縞模様が目に入った。イシダイ?サーフに? 頭は混乱していたが、さらに魚体が近づいて答えがわかった。

クロダイだ! ファイト中の発色は見事だった。ヒレの形状もすごく美しい。サーフクロダイだ。サイズは30cmほど、厚みがあって美味しそう。

もっと余韻に浸りたかったけど、時間をオーバーしているので急いでリリース。

この時、通りがかりの方が動画を撮ってくれていました。記念写真もいただいて、本当にメモリアルな釣果となりました。佐渡では人との出会いも有り難かった。感謝です。

まとめ:佐渡の自然環境は素晴らしい

釣りのお誘いをしてくれた方に今回の釣果を報告したところ、あんなところで釣るなんて上手だと褒められました。やはり真野湾は釣れないというのが地元の常識のようで、外洋に面したポイントへ遠出するのが釣果を上げるための近道です。島なので必ず風裏になるエリアがあります。

今回、魚が釣れた要因というか、魚がいるはずだと信じて釣りを続けられた理由は、多様な生き物の存在を確認できたからです。サーフに打ち上がっていたウィードは何種類もあり、アマモも混ざってました。波打ち際の岩場にはフグ、ウミウシ、カニ、フナムシを見つけました。豊かな生態系があることを感じ、魚も当然いるはずだと信じることができました。

このような自然環境の一環において、トキの存在は大きいように思います。佐渡ではトキの餌となる小動物を確保するため農薬の使用を避けているそうです。農薬が河川を流れて海に達すれば海藻類や甲殻類は影響を受けるでしょうし、それらを餌とする魚は減ってしまうと思います。私が日頃見ている新潟市の河口部はそういうことなんだろうなと思いました。佐渡は本当に豊かです。


真野湾のサーフは、地元の方には人気がないようでしたが(私の他には小舟から釣りしている年配者が1人いただけ)、魚は確実にいました。私は探索と移動に時間を使ってしまいましたが、勘の良い方ならもっと釣れると思います。

内湾のサーフ、外洋に面した磯、汽水湖、渓流、池や湖、佐渡にはフィールドがたくさんあります。もしも佐渡のことが気になっている方がいれば、断然おすすめしておきます。絶対釣れる。間違いないです。