2022年の冬にアダスタから発売されたジグヘッドワーム、サリュー。サーフのスペシャリストである目黒毅久さんによるプロデュースとあって注目度の高いアイテムです。私は15gモデルを使っていましたが、2023年7月に30gモデルを入手したので記事を更新しました!
基本データ
アダスタのサリューはジグヘッドワームと呼ばれるジャンルのルアー。といっても有名なものだけ数えると両手の指で足りてしまうほどのマイナージャンルです。そこに新しく加わったのがサリュー。選択肢が少ないが故にインパクトは大です。
メーカー | アダスタ |
製品名 | サリュー |
ウェイトと 価格 | 15g / 22g 1,870円 (税込) 30g 1,925円 (税込) |
カラー | 7色 |
レングス | 4.5インチ(トレーラー部分) |
飛距離
サリューの最大の特長は飛距離です。謳い文句としては、メタルジグの領域まで飛ぶとか、80m over なんて書いてあります。
15gモデルの飛距離
ラインナップで最も軽量なのが15gモデルです。私がこれを投げるときは感度重視の非サーフタックルです。
- EPFS-810MLT-TZ
- ZENON 2500SH
- NanoFil 6lb test 0.13mm(海外モデル)
参考として、適正ウェイト上限の24g程度のルアーのうち、よく飛ぶものを好条件下(ほぼ無風や弱い追い風)でキャストした場合、私の技量では最大70mくらい飛ばせます。
そして、下表は、風速3m/sの向い風という、飛距離テストとしてやや悪い条件でキャストした際の中央値を比較したものです。
サリュー 15g | 56m |
Sビット 15g | 65m |
飛びすぎダニエル 14g | 65m |
さすがにメタルジグよりも空気抵抗があるため、向い風では飛距離の減衰があったと思われます。とはいえ、このタックルでは70m飛べば100点満点なのですから、換算すると80点あげられる評価です。
30gモデルの飛距離(2023.8.7更新)
2023年7月に30gモデルを追加入手しました。こちらを投げるときのタックルは以下です。
- STHS-1082ML
- ZENON 2500SH
- NanoFil 6lb test 0.13mm(海外モデル)
15gモデルを投げるときとはロッドが異なり、適正ウェイト上限が40gのサーフロッドです。
初稿時はロッドに慣れていませんでしたが、8月7日現在、飛距離が安定してきたので下表を更新しました。
サリュー30g | 80m |
シーシェイカー90 25g | 70m |
シーシェイカー90 29g | 92m |
ギャロップアシストロングキャスト32g | 100m |
ギャロップアシストロングキャスト42g | 110m |
でた! ワームで80mのロングキャスト! 追い風が手伝った感じもありましたけど、本当に遠くに飛んでしまうんだなと驚きました。
参考に、ジャクソンの井熊さんはこのロッドとメタルジグをもっと遠くまで飛ばしてらっしゃいます。ベテランのアングラーならサリュー30gモデルを100m近く飛ばせるかもしれません。
スイムレンジ問題
実のところ、私はジグヘッドワームをあまり用いません。沈降が速いことや、アクションを入力する余地がないところなどに自由度の低さ(= 対応力の小ささ)を感じるからです。
サリューに関しては15gという軽量モデルがあるから試していました。じゃあ30gモデルはどうだったかというと、やっぱり重すぎる気がします。私はマゴチを釣りたいアングラーなので30gモデルも良いかなとは思っていますが、15gモデルのほうが泳げる層が広いので対応力に優れると思います。
飛距離をとるか、スイムレンジをとるか。サリューはウェイトによって使い勝手が異なります。ソフトベイトでは起こりがちなことで、15gと30gとでは別のルアーみたいです。その意味では、状況によって使い分けできるくらいの経験値のあるアングラー向けのルアーかと思います。
フック固定は必須(2023.10.29更新)
2023.10.29追記: 夏頃から公式サイト上に注意事項として掲載されるようになっていますので、この項は削除予定です。しばらくは読み物として残しておきます。以下に公式サイトの注意事項を引用しておきます。
サリューは前後のフック共、トレーラーワームに刺してご使用ください。そうする事でキャスト時の空気抵抗が減少。飛行姿勢が安定し、よりロングキャストが可能となります。
アダスタ
(以下はこの項目の元の文章です。)
ワンポイントアドバイス、というより落とし穴なのですが、サリューは購入時のままだとトレブルフックがフリーになっています。すなわち、普通に付いている状態なので何ら違和感はありません。
ところが、このままキャスティングすると4投に1投ほどの高頻度でフックがラインを拾います。着水前にフェザリングして直ちに巻き始めてテンションをかけるようにしても防ぐことができなかったので、飛行中にトラブルが発生しているのだと思います。結局こんなものか、というのが最初の(1月頃の)印象で、インプレを書く気も起きずに放っておくことになりました。
しかし、改めて使ってみようと思い立ち、またトラブルに悩まされ、それからアダスタ公式サイトを見ていて気が付きました。公式の写真や動画では、フックをトレーラーに刺した姿になっているのです。
これはテクニックの一つとしてわかってはいたものの、他のジグヘッドワームではそれでもトラブルが起きるものもあり、あまり有効でないと思い込んでいました。でも、ものは試し。サリューのフックをトレーラーに刺してみたら効果抜群。トラブルは起きなくなりました。激減というか、今のところ全く起きなくなったので完全に解消したとさえ思っています。
テールカットはしないかな
サリューは飛距離を出せるので、とりあえずコレだけ投げていればよいのでは?と思えてきます。ただし、フラッシングや振動といったアピールはルアー全体から見れば強いほうではないです。なので、目玉機能の一つであるテールカットはしていません。
個人的な記録の中では、新潟市サーフでは水押しの強いルアーでのヒットが多いです。全国的に有名なサーフと比べると魚影が薄いためか、ハイアピールであることが第一に大切なように感じています。
サリューは、バスルアーで言うところのI字系のようなものです。おそらくは、晴天の澄み潮の中、やや速めに巻くのが最も効果的なシチュエーションだろうと思います。好条件の中ではテールカットをすることで食わせを演出できるのだろうと思っています。
その後、テールカットした!
テールカットしないなんて書いてから1週間で気が変わりまして、思い切ってピンテールにしちゃいました。
きっかけはシロギスの釣果が聞こえ始めたから。キスが砂に顔を突っ込んで虫を探す姿を想像したとき、ピンテールのほうがボディが立つだろうから、姿が似てくるかなと。
この狙いだとアクションも変えて、中層のスイムでなくリフト&フォールやズル引きでボトムを攻めることになります。砂煙が立つのでテールのアピールが減っても差し支えないと思っています。また、ピンテールはスローやステイでも揺れるから見切られにくいのでは?と期待しています。
それから、ピンテールを採用しているジグヘッドワームは珍しいので、試してみたいという好奇心ですね。投げた感想として、飛行姿勢がさらに安定したのがわかりました。フルテールかシャッドテールかピンテールかで、それぞれ狙いが違うので飛距離の比較はしませんが、やはりテールが軽くなるほど飛びやすいとは思います。なんなら短く切り詰めてショートテールなんてアレンジもありかもしれません。
カラー
ここからは私が持っているカラーについて、それらの使用感をお伝えしたいと思います。ちなみにボディのソフトベイトは各ウェイト共通なので付け替えて遊べますよ!
サクラグロー
蛍光を含んでいるのか、太陽光の下では鮮烈なピンクに見えます。と、同時にグローでもあるのでローライトでも活躍できるカラーだと思います。
ナイトサーフで使っていたらグーンとアカエイに持っていかれてしまいました… 悲しみ。
ホワイトアウト
ラメ入りのパールホワイト。基本的には目立つカラーです。ただし、晴天で下から見上げた場合には光に溶け込んでしまうと思うので、朝夕やナイトで使っています。
これもアカエイが… 悲しみ。
メロメロメロン
夏に海水浴していると沖の離岸堤周りに緑色のヨウジウオ(?)がいるのを見つけることができます。サリューのメロメロメロンはそれによく似ています。
メロメロメロンは始めの数投でバイトが出ることが多いです!
UVサーディン
夏といえばイワシ! 水が澄んでいて光量が多いときはリアルベイト系をスピーディーに巻いたりします。UVサーディンはベリー側のラメの密度が高く、”生感”のあるフラッシングをします。
…といったところで、まずは4色です。ハラグロオレンジやピンクジョーカーもいい色しているんですよね。カラーとテールの掛け合わせだけで21通りもあります。そこにウェイト選択とヘッドとボディのキメラセッティングもありますから、かなりじっくりこだわって遊べるルアーになっています。2023年8月時点で在庫も回復してきているので、Amazonでは入手しやすい部類になっています。ぜひお試しあれ。